電気刺激療法

  電流刺激療法

電流刺激に対する生理的反応

要素ー1.
2.与える電流の性質(直流•交流、強さ、接続時間、電圧、電流密度)

各組織の電気的なエネルギーに対する反応は、作用させる電流の強さが一定の範囲に保たれた時に発現するもので、その強さがそうしたレベルを超えた時には、逆に生体組織の凝固と破壊が起こる。

電気刺激の目的
1. 筋や神経を刺激し、筋収縮を起こす。
2. 感覚神経を刺激して痛みの治療に用いる
3.組織に電場を生じさせ、損傷部位の損傷機転を促進する
4. 皮膚に電場を生じさせ、皮膚からのイオンの泳動を行い損傷部位の治癒機転を促進する

電流刺激に対する筋と神経の反応

筋•神経組織は興奮性が高い組織

細胞膜の選択的透過性:膜の透過性が異なるイオンの、膜の内側(-)と外側(+)で分布の違いから、電位差が生じる(静止膜電位)
※膜の能動輸送によってNaイオンは内側から外側へ、Kイオンは外側から内側へ内側が外側に対して負電位

電位差の要素
1. 選択的透過性(膜はあるイオンを通しやすく、あるイオンを通しづらくする)を持つ事
2. イオンの分布濃度が膜を隔てて違いがある。

静止膜電位を生じこれを維持すること=細胞の興奮を引き起こす源

(脱分極)
刺激電極の陽極と陰極の真下にある神経線維の膜では、イオンは反対側の極に移動し、膜の分極状態が
変化し陰極側では分極が起こる。
⇒膜の外側のマイナスイオン濃度が上昇
⇒膜電位が低くなる
⇒脱分極を起こす閾値が低下する
⇒陰極側では膜の外側にプラスイオンが集まる
⇒脱分極を起こす閾値が上昇する

この事から、陰極側が刺激電極、陽極側が関係電極になる:恒常的なものではなく、特定の条件下で反転する場合もある

神経線維の興奮は両側性に伝導する際、最初の刺激と次の刺激の間には適当な休止時間が必要(絶対不応期)神経線維が再分極し、その興奮性が回復するまで一定の時間が必要<1000Hz

興奮部分と接近部分に電位差が生じる=膜の内側では興奮部分から静止部分から静止部分へ電流がながれ、膜の外側では静止部分から興奮部へ電流の流れが生じる(局所的なものが神経線維に沿って順次起こることによって興奮はが
伝導される)

興奮の伝導は受動的に起こるのではなく、自らエネルギーを消費しながら受動的に成される(図4-3)

(脱分極の効果)
神経線維の興奮伝達
⇒神経の効果器や終末部
⇒運動終末やシナプスを伝える:神経末端から化学物質の遊離によって末端の興奮性君
⇒運動終末やシナプスを伝わる:神経末端から化学物質の遊離によって末端の興奮性組織が活動する(図4-4)

筋の興奮=筋収縮
随意的収縮=運動神経の電気的な興奮:
随意収縮程度=筋線維の発射活動頻度の違いによって決定

(強さー時間曲線)筋収縮の閾値と興奮性を示す
筋や神経に対して最小の興奮引き起こす場合、刺激の持続時間が短いときには強い刺激強度、持続時間が長い時には弱い刺激強度になる。

膜の閾値は筋と神経で異なり、神経線維自体も種類や直径によって異なる。必要な電流の強さはそれぞれ組織によって異なってくる。

重要な生理学的意味

1. 曲線の形は組織が脱分極を起こすのに必要な刺激の強さと持続時間の関係を示す
2. 基電流は最も持続時間の長い刺激を与えたとき興奮を引き起こす最小の電流の強さをいう(図4-6)
3. クロナキシー(時値)は基電流の2倍の強さを与えたときの刺激の持続時間をいう(図4-7)