面と軸の種類
前額面(前後軸)
|
身体を前後に切り取る鉛直面(前額面に直交する前後方向の軸)
|
矢状面(左右軸)
|
身体を左右に切り取る鉛直面(矢状面に直交する左右方向の軸)
|
水平面(垂直軸)
|
身体を上下に切り取る水平面(水平面に直交する上下方向の軸)
|
機能による分類
主動作筋:目的とする関節運動を中心的に担う
補助筋:目的とする関節運動で主動作筋を助ける
固定筋:主動作筋や補助筋が有効に機能するように起始部などを固定する
拮抗筋:主動作筋と反対の作用をする
運動を左右する条件
内的条件
筋力:主動作の筋力が低下すると補助筋の役割が大きくなり、運動の軌跡が変わる。運動麻痺に
よるものや疲労によるものなどが考えられる
構造:解剖学的な異常や拘縮などにより物理的に運動の変異が起こる
疼痛:運動時に疼痛があると筋力が発揮できなかったり、疼痛を避けて運動する
外的条件
負荷:主動作筋の筋力(またはスピード)を上回る負荷がかかると、筋力低下と同様の変化が起こる
体位:股関節を外転する際の体位や肢位で、筋の働きが異なる。たとえば、立位と側臥位での違
いは明らかであり、側臥位で体幹を前方か後方へ傾けるだけでも変化する。
状況:運動練習場面ではスムーズに歩けるのに、横断歩道を急いで渡ろうとすると代償運動が起こ
る事がある。またはプールの中で重力や抵抗が変わったときなどでも運動が変化する。
代償の手段
筋の活動
補助筋:肘を屈曲するとき、上腕二頭筋の代わりに上腕筋(補助筋)を使う(前腕が回外しない)。股 関節を外転するとき、外旋して屈曲を使ったり、骨盤を挙上させるなど。
逆作用(reverse action):通常の筋作用とは逆に、停止部を固定して起始を動かすことをいう。骨 盤を挙上しようとするとき、広背筋の逆作用が利用できる。足部が固定されているとき、下腿三 頭筋の起始部を後方に引いて膝伸展を代償する事もある。
固定筋:補助筋の活動や逆作用などを可能にするためにも、固定筋による近位部の固定は重要であ る。肘の屈伸の代わりに、固定筋が肘関節を固定して肩関節の運動で手を口に運ぶなど。
力学
ベクトル:座位で肘を屈曲するとき、肩を外転して重力の影響を減らしてから肘を屈曲する。あ るいは腹臥位で前腕をベッド端から下げて肩を外旋するとき、肘を屈曲し前腕の重心を支点に近 づけることで負荷を軽減するなど。
重力:座位で肘を伸展するとき、前腕の重さで肘を伸展する。屈筋(拮抗筋)の遠心性収縮を利用し て、緩やかに落下させることができる。あるいは座位で膝を伸展するとき、拮抗筋(補助筋)でいっ たん屈曲し、反動をつけて膝伸展するなど。
筋長:筋を伸張して張力の発生を有利にする。座位で膝を伸展しようとするとき、股を伸展(体幹 後傾)するなど。これは膝伸筋(大腿直筋)の筋長を伸張し、筋張力の不足を補っている。
テコ:座位で足を背屈するとき、踵を床に固定して支点とし、膝を屈曲して足先を挙上する。立 位で肘を伸展するとき、テーブルについた手を支点にして肩を屈曲する。座位で肘を屈曲すると き、肘関節を固定したままテーブルについた肘を支点にして肩を下制するなど。
軟部組織•反射
弾性:指を屈曲しようとするとき、手関節を背屈する。指屈筋腱が引き伸され、収縮力でなく腱 の弾性により指が屈曲する(腱作用tenodesis action)立位を保持するときに、拘縮した膝関節で 体重を支持するなど。
他部位(機能):歩行するとき、手で膝を伸展して膝折れを防ぐ。立ち上がりのとき、手を大腿部に ついて背筋や殿筋の力を代償する。寝返りのとき、上肢を振って体幹や下肢の力を補うなど。
道具その他:起き上がりのとき、ロープを用いる。足部の背屈ができないとき、AFO(Ankle Foot Orthsis)をつけて生活する。下肢切断者が歩行するとき、義肢を装着する。いわゆる環境制御に 電子機器を利用する。移動するとき、介助者に介助してもらうなど。
観察と分析の視点
検査の方法
1視診 2体位(肢位)、負荷、固定などをさまざまに変えながら再び観察する。 3主動作筋、補助筋、固定筋、拮抗筋の触診、MMT 4その他の筋活動のタイミング(eg.歩行)の観察
運動•動作(等張性筋収縮) •軌跡
•タイミング
ベクトル:座位で肘を屈曲するとき、肩を外転して重力の影響を減らしてから肘を屈曲する。あ るいは腹臥位で前腕をベッド端から下げて肩を外旋するとき、肘を屈曲し前腕の重心を支点に近 づけることで負荷を軽減するなど。
重力:座位で肘を伸展するとき、前腕の重さで肘を伸展する。屈筋(拮抗筋)の遠心性収縮を利用し て、緩やかに落下させることができる。あるいは座位で膝を伸展するとき、拮抗筋(補助筋)でいっ たん屈曲し、反動をつけて膝伸展するなど。
筋長:筋を伸張して張力の発生を有利にする。座位で膝を伸展しようとするとき、股を伸展(体幹 後傾)するなど。これは膝伸筋(大腿直筋)の筋長を伸張し、筋張力の不足を補っている。
テコ:座位で足を背屈するとき、踵を床に固定して支点とし、膝を屈曲して足先を挙上する。立 位で肘を伸展するとき、テーブルについた手を支点にして肩を屈曲する。座位で肘を屈曲すると き、肘関節を固定したままテーブルについた肘を支点にして肩を下制するなど。
軟部組織•反射
弾性:指を屈曲しようとするとき、手関節を背屈する。指屈筋腱が引き伸され、収縮力でなく腱 の弾性により指が屈曲する(腱作用tenodesis action)立位を保持するときに、拘縮した膝関節で 体重を支持するなど。
痙性:随意運動の代わりに反射や不随意運動を利用する。立位をとったり移乗動作の際、下肢抗
重力筋の不随意的な伸展力で体重を支える。買い物袋を前腕に掛けて、肘屈筋の痙性で持って歩
くなど。
外力
他部位(機能):歩行するとき、手で膝を伸展して膝折れを防ぐ。立ち上がりのとき、手を大腿部に ついて背筋や殿筋の力を代償する。寝返りのとき、上肢を振って体幹や下肢の力を補うなど。
道具その他:起き上がりのとき、ロープを用いる。足部の背屈ができないとき、AFO(Ankle Foot Orthsis)をつけて生活する。下肢切断者が歩行するとき、義肢を装着する。いわゆる環境制御に 電子機器を利用する。移動するとき、介助者に介助してもらうなど。
観察と分析の視点
検査の方法
1視診 2体位(肢位)、負荷、固定などをさまざまに変えながら再び観察する。 3主動作筋、補助筋、固定筋、拮抗筋の触診、MMT 4その他の筋活動のタイミング(eg.歩行)の観察
運動•動作(等張性筋収縮) •軌跡
•タイミング
•スピード
•強さ
•スタイル
筋収縮(等尺性筋収縮) •有無
•範囲
•筋張度合
筋収縮(等尺性筋収縮) •有無
•範囲
•筋張度合
上肢
部位
|
運動
|
主動作筋
|
補助筋
|
代償運動
|
臨床事例
|
肩甲骨の外転と
上方回旋
|
?
|
前鋸筋(長胸神
経C5-C7)
|
僧帽筋
|
頚椎伸展、小胸
筋挙げる
|
|
肩甲骨の挙上
|
?
|
僧帽筋上部線維
(副神経N11)
肩甲挙筋(脊髄
神経:C3,C4,
肩甲背神経C5)
|
大•小菱形筋
|
僧帽筋弱化で菱
形筋、頸や体幹
側屈
|
|
肩甲骨の下制と
内転
|
?
|
僧帽筋上部線維
(副神経N11)
|
広背筋、大•小
胸筋
|
体幹の伸展
|
|
肩関節の屈曲
(前方挙上)
|
180°
|
三角筋前部線維
と後部線維(腋
窩神経C5,6)
棘上筋(肩甲上
神経C5,6)
|
大胸筋、烏口腕
筋、上腕二頭筋
|
肩甲骨挙上によ
る前方挙上方向
への代償
肩関節を外旋、
前腕回外位にし
て上腕二頭筋に
よる代償
体幹の回旋や大
胸筋による代償
運動
体幹の伸展(背
をそらすよう
な)による代償
運動
|
|
肩関節の伸展
|
45-60°
|
三角筋後部線維
(腋窩神経C5-6)
大円筋(肩甲下
神経C5-6)
広背筋(胸背神
経C5-8)
|
上腕三頭筋
|
肩甲骨挙上
腹臥位で体幹の
回旋による代償
運動
|
|
肩関節の外転
|
180°
|
三角筋中部線維
(腋窩神経C5-6)
棘上筋(肩甲上
神経C5-6)
|
上腕二頭筋
|
上腕三頭筋
肩外転位にて上
腕二頭筋代償運
動
肩甲骨挙上によ
る代償運動
体幹の側屈によ
る代償運動
|
肩関節の外旋
|
90°
|
棘下筋(肩甲上
神経C5-6)
小円筋(腋窩神
経C5-6)
|
三角筋後部線維
|
体幹の回旋と肩
甲骨の外転、上
方回旋、肩の水
平内転が見られ
る。
肩甲帯周囲筋群
による代償運動
|
多発性筋炎
肩甲肢帯型筋の
ジストロフィー
ギランバレー
|
肩関節の内旋
|
90°
|
肩甲下筋(肩甲
下神経C5-6)
大胸筋鎖骨部
(外側胸筋神経
C5-7)
広背筋(胸背神
経C6-8
大円筋(肩甲下
神経C5-6)
|
三角筋前部線維
|
三角筋や体幹の
回旋筋の代償
上腕三頭筋によ
る代償
|
|
肩関節の水平内
転
|
135°
|
大胸筋鎖骨部と
胸肋部(外側胸
筋神経C5-7、
内側、外側神経
C8-T1)
|
三角筋前部線維
|
体幹の回旋
肩甲帯周囲群に
よる肩甲骨の挙
上
|
|
肩関節の水平外
転
|
30°
|
・三角筋後部線維
(腋窩神経:
C5,6)
|
・棘下筋、
・小円筋
|
三角筋が弱化する
と、肩外旋位から上
腕二頭筋により肘関
節を強く伸展させる
代償運動
体幹の回旋筋により
体幹を回旋させる代
償運動
|
|
肘関節の屈曲
|
150°
|
・上腕二頭筋
(筋皮神経:
C5-6)
・上腕筋
(筋皮神経:
C5-6)
・腕撓骨筋
(橈骨神経:
C5-6)
|
・浅指屈筋、
・長掌筋、
・橈側手根屈筋、
・尺側手根屈筋
|
上腕二頭筋が弱化す
ると、上腕筋による
代償運動に加え、体
幹や手指を利用して
肘を屈曲
腕撓骨筋を利用して
前腕中間位にて肘を
屈曲
|
肘関節の伸展
|
0-5°
|
・上腕三頭筋
(橈骨神経:C6-
T1)
|
・肘筋
(橈骨神経:
C7-8)
|
上腕三頭筋が弱化す
ると、肩関節外転位
から肩関節を外旋さ
せ、前腕の重力を利
用して肘を伸展
座位の重力除去をし
て、上腕三頭筋のみ
での肘伸展が不可能
な場合、肩甲骨の下
制と肩関節外旋の代
償運動
|
|
前腕の回外
|
80-90°
|
・上腕二頭筋
(筋皮神経:
C5-6)
・回外筋
(筋皮神経:
C5-6)
|
・腕撓骨筋
(橈骨神経:
C5-6)
・手関節・手指伸筋
群
|
回外筋が弱化する
と、肩関節外転位
で、手関節と母指を
利用して前腕を回外
肩関節内転位で、外
旋することにより前
腕の回外を代償
|
|
前腕の回内
|
80-90°
|
・円回内筋
(正中神経:
C6-7)
・方形回内筋
(正中神経:
C6-7)
|
・橈側手根屈筋
(正中神経:
C6-7)
|
円回内筋、方形回内
筋が弱化すると、肩
関節外転位で、内旋
することで前腕の回
内を代償。
三角筋、肩甲下筋を
働かせて、肩関節外
転位で内旋させる
と、あたかも前腕が
回内したように見え
る
|
|
手関節•手指の屈曲
(屈曲と撓屈)
|
・橈側手根屈筋
(正中神経:
C6-7)
|
・長掌筋
(正中神経:
C7-8)
|
橈側手根屈筋が弱化
すると、尺屈しなが
ら屈曲する
|
||
手関節の伸展
|
・長橈側手根伸筋
(橈骨神経:
C5-7)
・短橈側手根伸筋
(橈骨神経:
C6-7)
・尺側手根伸筋
(橈骨神経:
C6-8)
|
・指伸筋、
・小指伸筋、
・示指伸筋、
・長母指伸筋
|
長橈側手根伸筋、短
橈側手根伸筋、尺側
手根伸筋が弱化する
と、指を伸展するこ
とで手関節の背屈を
代償
|
||
母指の対立
|
・母指対立筋
(正中神経:C8-
T1)
・小指対立筋
(尺骨神経:C8-
T1)
|
母指対立筋が弱化す
ると、母指は屈曲し
て小指へ向かう代償
運動
|
母指の掌側外転
|
・短母指外転筋
(正中神経:
C6-7)
=母指の中手指節関
節・指節間関節の伸
展
・長母指外転筋 (橈骨神経: C6-7) =母指の中手指節関 節の伸展 |
・長掌筋と長母指伸
筋
=母子中手指節関節
の屈曲
|
短母指外転筋、長母
指外転筋が弱化する
と、母指の指節間関
節および中手指節関
節を屈曲して掌側外
転を代償
|
||
中手指節間関節
の伸展(握力計
る)
|
45°
|
・指伸筋
(背側骨間神経:
C7-8)
・示指伸筋
(背側骨間神経:
C7-8)
・小指伸筋
(背側骨間神経:
C7-8)
|
指伸筋、示指伸筋、
小指伸筋が弱化する
と、手関節を屈曲さ
せるこによって伸筋
群を伸張させ、指節
間関節を伸展させて
代償運動
|
体幹
頭部と頚部の複
合伸展
|
45°
|
・大、小後頭直筋
(後頭下神経内側
枝、C1後枝)
・上頭斜筋
(後頭下神経外側
枝、C1後枝)
・下頭斜筋
(C1-2後枝内側枝)
・頭最長筋
(C3-8後枝)
・頭板状筋
(C3-6後枝)
・頭半棘筋
(C2-T1後枝)
・頚最長筋
(C2-T5後枝)
・頚半棘筋
(C2-T5後枝)
・頚腸肋筋
(C6-T4後枝)
・頚板状筋
(C4-8後枝)
|
固定筋:体幹伸筋群
|
頭部伸筋群が弱く、
胸鎖乳突筋が比較的
強い場合には胸鎖乳
突筋の作用で頚の伸
展が増強することが
ある
|
|
頭部の伸展
|
45°
|
・大、小後頭直筋
(後頭下神経内側
枝、C1後枝)
・上頭斜筋
(後頭下神経外側
枝、C1後枝)
・下頭斜筋
(C1-2後枝内側枝)
・頭最長筋
(C3-8後枝)
・頭板状筋
(C3-6後枝)
・頭半棘筋
(C2-T1後枝)
|
固定筋:頚部、体幹
の伸筋群
|
頭部を常に前方にだ
している姿勢の場
合、上部頚椎は伸展
位
|
|
頚部の伸展
|
45°
|
・頚最長筋
(C2-T5後枝)
・頚半棘筋
(C2-T5後枝)
・頚腸肋筋
(C6-T4後枝)
・頚板状筋
(C4-8後枝)
|
頭部と頚部の複
合屈曲
|
45-60°
|
・前頭直筋、外側頭
直筋
(C1-3前枝) ・頭直筋 (C3-8前枝) ・前斜角筋 (C4-6前枝) ・中斜角筋 (C3-8前枝) ・後斜角筋 (C6-8前枝) ・胸鎖乳突筋 (副神経脊髄根:XI 脳神経、 C2-3前枝) |
固定筋:体幹屈筋群
|
頭部を前方に突き出
した肢位は、頭部と
頚椎が伸展してお
り、上部胸椎で屈曲
する代償運動
|
|
頭部の屈曲
|
45-60°
|
・前頭直筋、外側頭
直筋
(C1-3前枝) ・頭直筋 (C3-8前枝) |
固定筋:頚部、体幹
の屈筋群
|
舌骨筋群によって開
口する代償運動(下
顎を下げる)
|
|
頚部の屈曲
|
45-60°
|
・前斜角筋
(C4-6前枝)
・中斜角筋
(C3-8前枝)
・後斜角筋
(C6-8前枝)
・胸鎖乳突筋
(副神経脊髄根:XI
脳神経、
C2-3前枝)
|
補助筋:頚長筋、舌
骨下筋群
固定筋:体幹屈筋群
後頭下筋群
|
胸鎖乳突筋が弱化
か、失われている場
合、広頚筋の代償運
動(下顎の所にシワ
がよる)
|
|
頚部の回旋
|
60°
|
・大後頭直筋
(後頭下神経内側
枝、C1後枝)
・下頭斜筋
(C1-2後枝内側枝)
・頭最長筋
(C3-8後枝)
・頭板状筋
(C3-6後枝)
・頭半棘筋
(C2-T1後枝)
・頚半棘筋
(C2-T5後枝)
・頚板状筋
(C4-8後枝)
・頭直筋
(C3-8前枝)
・頚長筋(下斜筋)
(C2-6前枝)
・前斜角筋
(C4-6前枝)
・胸鎖乳突筋
(副神経脊髄根:XI
脳神経、
C2-3前枝)
|
補助筋:頚腸肋筋
固定筋:体幹の回旋
筋群
|
同側の側屈を伴う
|
頚部の側屈
|
45°
|
・胸鎖乳突筋
(副神経脊髄根:XI
脳神経、
C2-3前枝)
・頚長筋(下斜筋)
(C2-6前枝)
・外側頭直筋
(C1-2前枝)
・前斜角筋
(C4-6前枝)
・中斜角筋
(C3-8前枝)
・後斜角筋
(C6-8前枝)
・上頭斜筋
(後頭下神経外側
枝、C1後枝)
|
補助筋:肩甲挙筋
|
体幹側屈と肩甲挙筋
の代償運動
(体幹を側屈し肩甲
骨を挙上させる)
左回旋を伴った左側
屈
(前額面での純粋な
側屈が起こらず、回
旋を伴うため、オト
ガイが側屈側肩に近
づく)
|
|
顎を開ける
|
・外側翼突筋
(三叉神経の下顎神
経枝:III脳神経)
・顎舌骨筋
(三叉神経の下顎神
経枝:III脳神経)
・茎突舌骨筋
(顔面神経:VII脳神
経)
・オトガイ舌骨筋
(舌下神経のオトガ
イ舌骨筋枝、C1-2)
・顎二腹筋
(前腹:三叉神経の
下顎神経枝:III脳神
経、
後腹:顔面神経:VII
脳神経)
|
顎関節に障害がある
と開口運動が制限さ
れたり、顎の運動が
非対称になる
C字状の変位
=変位した方の顎関
節の動きが少ない
S字状の変位 =左右のアンバラン スか下顎頭が関節円 板の周囲で内側に変 位している |
|||
下顎を閉じる
|
・側頭筋
(三叉神経の下顎神
経枝)
・咬筋
(三叉神経の下顎神
経枝、咬筋神経枝)
・内側翼突筋
(三叉神経の下顎神
経枝、内側翼突神
経)
|
閉口時、上顎と下顎
の位置がずれる(左
変位)
閉口時、疼痛、過敏
性が生じる場合、関
節後方の炎症を意味
してることが多い
|
下顎の前方突出
|
・外側翼突筋
(三叉神経の下顎神
経枝:III脳神経)
・内側翼突筋
(三叉神経の下顎神
経枝、内側翼突神
経)
|
||||
下顎の後退
|
・側頭筋
(三叉神経の下顎神
経枝)
・内側翼突筋
(三叉神経の下顎神
経枝、内側翼突神
経)
|
||||
下顎を側方へ動
かす
|
・動く方向の・外側
翼突筋
(三叉神経の下顎神
経枝:III脳神経)
・反対側の内側翼突
筋
(三叉神経の下顎神
経枝、内側翼突神
経)
|
開口時変位がある
と、側方への移動に
も変位が生じる。こ
の場合、同側の外側
翼突筋、咬筋、側頭
筋か、反対側の関節
円板か靭帯に異常が
ある
|
|||
体幹の伸展
|
30°
|
・胸腸肋筋、腰腸肋
筋
(T7-L1後枝) ・胸最長筋 (脊髄神経後枝) ・胸棘筋 (脊髄神経後枝の内 側枝) ・胸半棘筋
(脊髄神経後枝)
・多裂筋
(脊髄神経後枝)
・胸回旋筋、腰回旋
筋
(脊髄神経後枝の内
側枝)
|
固定筋:股関節伸筋
|
うつ伏せで体幹を伸
展する場合、脊柱伸
筋群が弱く、股関節
伸筋が強力なとき
は、患者は上半身を
台から持ち上げるこ
とができず、腰椎が
屈曲位(前弯減少)
をとる
背部伸筋群が強力で
も、股関節伸筋群が
弱いときには、患者
は腰背部を過伸展
(前弯増強)する
が、検者が強く骨盤
を固定しないかぎり
体幹を挙上すること
はできない
|
|
骨盤の挙上
|
・腰方形筋
(T12,L1-3前枝)
|
補助筋:広背筋
外腹斜筋
内腹斜筋
腰腸肋筋
|
腹筋を使って体幹を
側屈へ屈曲したり、
脊柱伸筋群を使って
行うとしたりする。
いずれの代償運動も
腰方形筋に活動のな
いことを見破るのは
難しい
|
体幹の側屈
|
35°
|
・腰方形筋
(T12,L1-3前枝)
・内腹斜筋
(肋間神経、腸骨下
腹神経、
腸骨鼠径神経: T8-12、L1) ・外腹斜筋 (肋間神経:T5-12 腸骨鼠径神経: L1) ・広背筋 (胸背神経:C6-8前 枝) |
固定筋:股関節外転
筋
|
体幹外側の筋群が強
く股関節外転筋が弱
い場合、骨盤が上側
の肋骨に近づくた
め、体幹は十分に挙
上しない
股関節外転筋が強
く、体幹外側の筋群
が弱い場合、下肢を
固定しておくと骨盤
は固定させるが、体
幹は挙上しない
|
|
体幹の屈曲
|
80°
|
・腹直筋
(肋間神経:T7-12
腸骨下腹神経: L1) |
補助筋:内腹斜筋、
外腹斜筋、
大腰筋、
小腰筋
固定筋:頚部屈筋
群、
股関節屈筋
群
|
腹筋が弱化している
と股関節屈筋の逆作
用によって腰椎前弯
を起こす
腰椎伸筋の弱化があ
る場合、腹筋の収縮
が骨盤の後方傾斜を
起こす
|
|
体幹の回旋
|
45°
|
・内腹斜筋
(肋間神経、腸骨下
腹神経、
腸骨鼠径神経:
T8-12、L1)
・外腹斜筋
(肋間神経:T5-12
腸骨鼠径神経: L1) |
補助筋:広背筋、
腹直筋、
深部背筋
(一側)
|
背臥位で、回旋する
場合大胸筋による代
償が起こると肩をす
くめるか、台から離
す場合あり、体幹の
限られた回旋もおこ
る
|
|
安静吸気運動
(腹式呼吸)
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・内腹斜筋
(肋間神経、腸骨下
腹神経、
腸骨鼠径神経:
T8-12、L1)
・外腹斜筋
(肋間神経:T5-12
腸骨鼠径神経:
L1)
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補助筋:広背筋、
腹直筋、
深部背筋
(一側)
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横隔膜の弱化がある
と、胸式呼吸で代償
する
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安静吸気運動
(胸式呼吸)
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・横隔膜
(横隔神経:C3ー
5)、
・外肋間筋 (肋間神経:T1ー11) |
補助筋:内肋間筋、
最内肋間
筋、
肋骨挙筋、
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SCM、斜角筋など
による代償のため、
肩甲帯が挙上位にな
る
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下肢
股関節の屈曲
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90°
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・大腰筋
(L2ー3)
・腸骨筋
(大腿神経:L2
−3)
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補助筋:大腿直筋、
恥骨筋、
縫工筋、
短内転筋、
TFL、
長内転筋、
大内転筋
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縫工筋による代償運
動
=股外旋、下肢外旋
位にて屈曲
TFLによる代償運動
=股内旋と下肢内旋
位にて屈曲
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股関節の伸展
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30°
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・大腰筋
(L5ーS2)
(腹臥位で膝関節
屈曲位からの股関節
伸展は大殿筋の単独
検査)
・半腱様筋 (坐骨神経(脛骨神 経):L4-S3) ・半膜様筋 (坐骨神経(脛骨神 経):L5-S3) ・大腿二頭筋(長頭) (坐骨神経(脛骨神 経):S1-3) |
補助筋:腰方形筋、
広背筋
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腰方形筋・広背筋に
よる大腿部を床上よ
り挙上する代償運動
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股関節内転
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20-30°
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・大内転筋
(閉鎖神経:L3-4
と坐骨神経よりの分
布)
・短内転筋 (閉鎖神経:L3-4) ・長内転筋 (閉鎖神経:L3-4) ・恥骨筋 (大腿神経:L2-4) ・薄筋 (閉鎖神経:L3-4) |
股関節屈筋による代
償運動
膝関節屈筋による代
償運動
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股関節外転
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45-50°
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・中殿筋
(上殿神経:L4−S
1)
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補助筋:小殿筋、
TFL、
大殿筋(上
部線維)
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体幹側屈筋による代
償運動
股関節屈筋による代
償運動
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股関節内旋
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45°
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・小殿筋
(上殿神経:L4−S
1)
・TFL (上殿神経:L4−S 1) |
補助筋:半腱様筋、
半膜様筋、
中殿筋(前
部線維)
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右下肢の場合、座位
で体幹・骨盤の左側
屈・傾斜による代償
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股関節外旋
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45°
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・外閉鎖筋
(閉鎖神経:L3
−4)
・内閉鎖筋 (L5−S3) ・大腿方形筋 (L5−S1) ・梨状筋 (S1−2) ・上双子筋 (L5−S3) ・下双子筋 (L5−S1) ・大殿筋 (下殿神経:L5−S 2) |
補助筋:縫工筋、
大腿二頭筋
(長頭)
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座位で対側骨盤挙上
による代償
座位で同側股関節の
外転による代償
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膝関節屈曲
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135°
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・大腿二頭筋長頭
(坐骨神経:S1
−3)
・大腿二頭筋短頭
(坐骨神経:L5−S
2)
・半腱様筋、半膜様
筋
(坐骨神経:L5−S
2)
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補助筋:膝窩筋、
腓腹筋
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股関節屈曲動作によ
る代償運動
=股関節の屈曲に伴
って同側の殿部が持
ち上がり、仰臥位に
向かって身体を軽く
ねじる
縫工筋による代償運
動
=股関節の屈曲と外
旋が起こる
薄筋による代償運動
=股関節がやや内転
しながら膝関節がわ
ずかに屈曲
腓腹筋による代償運
動
=ハムストリングが
作用しないため、強
く足関節低屈が伴
い、同時に膝関節が
わずかに屈曲
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膝関節伸展
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0°
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・大腿四頭筋
(大腿神経:L2
−4)
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補助筋:TFL
(上殿神経:
L4−S1)
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側臥位で股関節内旋
筋群を用いての代償
運動
=側臥位で、股関節
が少し内旋しながら
膝関節が伸展するか
のように下腿が落下
する
TFLによる代償運動
=座位で、体幹を左
に側屈し、右骨盤を
後方に引き、大腿部
がわずかに持ち上が
るとともに下腿も持
ち上がり、膝関節が
伸展
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足関節の底屈
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50°
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・腓腹筋
(腓骨神経:S1
−2)
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補助筋:ヒラメ筋、
足底筋、
長・短腓骨
筋、
後脛骨筋、
長趾屈筋、
長母趾屈筋
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長母趾屈筋、長趾屈
筋による代償運動
=足関節の底屈を行
うとして、足趾が屈
曲し、前足部の底屈
が生じる
長・短腓骨筋による
代償運動
=足関節の底屈はほ
とんど認められず、
外返しがおこる
後脛骨筋による代償
運動
=足関節を底屈しよ
うとして足関節の内
がえしが生じる
後脛骨筋、長・短腓
骨筋による代償運動
=足関節の底屈では
なく、前足部の底屈
が起こる
立位で腰方形筋によ
る代償運動
=テスト側の骨盤が
挙上し、股関節の外
転しながら踵が持ち
上がる
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足関節の背屈
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20°
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・前脛骨筋
(深腓骨神経:L4
−S1)
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補助筋:長母趾伸
筋、
長趾伸筋、
第三腓骨筋
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長母趾伸筋、長趾伸
筋による代償運動
=足関節自体の背屈
は起こらないが、足
趾の伸展が起こる
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