症状病気一覧
悪性腫瘍の兆候
•持続性夜間痛
•身体のあらゆる部位に起こる疼痛
•予測しない体重減少(7kg within 2weeks)
•食欲減退
•心当たりない腫れ物あるいは新生物
•理由のない披露
循環器系疾患
•動悸/息切れ
•めまい(浮遊感)
•胸部痛あるいは胸が重苦しい
•身体のあらゆる部位に感じる拍動痛
•下肢あるいは上肢の持続した強い疼痛
•足の変色あるいは疼痛
•浮腫(外傷歴がない)
消化器/泌尿器/生殖器系疾患
•頻繁なあるいは強い腹痛
•頻繁に起こる胸焼けあるいは消化不良
•頻繁に起こる吐き気あるいは嘔吐
•膀胱機能の変化あるいは障害 例ー尿道炎
•通常ではない生理不順
神経系疾患
•聴覚変化
•頻繁に起こるあるいは強い頭痛(外傷歴のない)
•嚥下障害あるいは発声障害
•視覚変化
•平衡感覚あるいは協調運動障害
•失神
•突然力が入らない
その他
•発熱
•最近起こった強い情緒障害
•関節の腫脹あるいは発赤(外傷歴のない)
•妊娠
循環器疾患
•急性心筋梗塞acute myocardial infarction
患者の外観:中年以上の男性で、肥り君気味の人が多い。激しい胸痛のため体を絶えず動かしている場合が多い。時には両手で胸部をかきむしるような動作をする。顔面鉛色蒼白となる。
意識状態:激しい持続性の胸痛のため不安感、焦燥感にかられ、顔面は蒼白となる。意識は大体正常である
脈拍:頻脈で微弱か、または徐脈となり、ショック状態に陥ると時には全く脈拍が触れなくなることがある。
体温:一過性発熱38-39°になることが多い。
皮膚と四肢:皮膚全体にぐっしょりと汗をかき、冷たい。四肢には胸痛の放散痛があり、しばしば左肩、左手(ときには右側)に放散する。
血圧:多くの場合、収縮期は低くなり、ショック状態では80mmHg以下となる。
呼吸:速く浅い
尿量:乏尿となる。
•高血圧性脳症hypertensive encephalopathy
患者の外観:男性、女性の差はないが、中年に多く顔面が紅潮し、上気しているように見える。
意識の状態:血圧の急激な上昇のため、一過性の精神錯乱、昏迷、昏睡などの意識障害や、片麻痺、失語症、感覚障害や半盲のみられることがある。
脈拍:頻脈で、脈の立ち上がりが速く大脈である。
体温:正常か、あるいは少し高い。
皮膚と四肢:正常であるが、ときに四肢のシビレ感を訴えることが多い。
血圧:本来、高血圧がある患者で、腎機能障害、眼底所見のあるものにもみられるが、本態性高血圧や、褐色細胞腫、クッシング症候群などでもみられ、収縮期上昇(200mmHg以上)と拡張期圧上昇(110mmHg以上)を伴う。
呼吸:著名な変化はない
尿量、排便:乏尿となり、便秘気味である。
•急性肺水腫acute pulmonary edema
患者の外観:男性、女性ともに基礎疾患として高血圧や心弁膜症があるため、慢性疾患による全身の疲労やるいそうがみられる。
意識の状態:正常であるが、胸内圧迫感があるため苦悶の表情を示す。
脈拍:微弱で速い。これは心拍出量の低下による減少である。
体温:正常か、もしくは低い。
皮膚と四肢:やや蒼白であり、全身に冷汗をかく。四肢の表面に(慢性両室性心不全の場合では)浮腫が認められ、チアノーゼや表在性静脈の怒張や頚静脈の怒張もみられることがある。
血圧:収縮期血圧が低くなり、また脈圧も少ない(20mmHg)
呼吸: 混合型呼吸困難(吸気時にも呼気時にも喘鳴が聞かれる)
尿量、排便:乏尿となり、便秘気味である。
•慢性うっ血性心不全chronic congestive heart failure
患者の外観:慢性経過を巡るため全身はるいそうし、一見して胸郭の前後径が伸びている事がわかる。胸壁には心臓の拍動に一致して拍動が全体に伝わる状態が観察される。
意識の状態:正常であるが、顔の表情には元気がない(僧帽弁狭窄患者でが両頬にmitral hueがみられる)(頬紅をつけたように見うけられる)
脈拍:弱く、速い、また心房細動を伴うことが多く、脈の欠損(心拍数と脈拍数に差がある)がみられる。
体温:正常
皮膚と四肢:両下肢の浮腫やチアノーゼ、表在性静脈の怒張や著明な頸動脈拍動がみられ、皮膚は湿っており冷たい
血圧:収縮期圧、拡張期圧がともに低い。
呼吸:浅く、速い。時にチェーン•ストークス型(CHEYNE-STOKES)となる。
尿量、排便:乏尿である。排便は正常。
•大動脈弁閉鎖不全aortic regurgitation
患者の外観:比較的長身の人に多く、一般状態はよい。(Marfan症候群に合併する場合は、クモ状指や、手首の関節の弛緩などがみられる。)
意識の状態:正常である。
脈拍:脈拍は大きく立ち上がりが速い。いわゆる大脈であり、仰臥位(または座位でも)著明な頸動脈拍動がみられる
体温:正常
皮膚と四肢:皮膚には著変はみられないが、四肢の爪下における毛細管拍動がみられる。浮腫はない。
血圧:収縮期は高く、拡張期圧は低くなり、脈圧は大となる(Hillのサインがみられる。)
呼吸:正常
尿量:心不全を起こさなければ正常である。
•心室中隔欠損ventricular septal defect
患者の外観:小児では発育が悪いことが多く、身長•体重ともに平均以下である。成人にみられるものでは約40%に胸郭の変形(鳩胸や脊椎側弯症など)がみられる。
意識の状態:正常であり、知能指数も正常の場合が多い。
脈拍:正常であるが、やや小脈となる(これは心拍出量の減少のためである)。
体温:正常
皮膚と四肢:四肢や手に奇形や異常のみられることがある(一側の母指が小さくなるventriculoradial sysplasiaや、手掌における掌紋の異常が約60%にみられる)
血圧:正常よりやや低目である(肺循環量が増大するため)
呼吸:安静時には変化はないが、運動時に呼吸困難となることが多い。
尿量:正常
•ファロー四徴tetralogy of FALLOT
患者の外観:発育が悪い。歩行するとすぐにしゃがみ込む。一見下肢が上肢よりも細い。
意識の状態:多くは正常であるが、運動により失神発作(無酸素発作)を起こすことがある。
脈拍:小児期には著変がないが、上下肢に差のみられることがある。頚静脈a波の拍動が著明となる。
体温:四肢の表面皮膚温はやや冷たい。
皮膚と四肢:一見としてチアノーゼが著明で、ばち状指がみられるのが典型的であるが、運動時にのみチアノーゼの出現するものもある。
血圧:成人になると高血圧がみられる(多血症)
呼吸:食事をとったり、運動時や泣いた際には呼吸困難となる。そのため患者はうずくまりの姿勢を(squatting)とり、低酸素状態を自分で改善させている。
尿量:正常
•末梢循環障害peripheral circuratory disturbance
患者の外観:動脈硬化性変化によって起こる末梢循環障害では一見正常であるが、歩行時に下肢の疼痛を訴え、立ち止まる(間欠性跛行)。冬期に症状が悪化する。
意識の状態:正常
脈拍:下肢にとくに変化がみられ、足背動脈、前頸骨動脈、後頸骨動脈の拍動を触れなくなることがある。多くは一側性である。基礎疾患として高血圧や糖尿病と合併することがある(10-30%)
体温:正常
皮膚と四肢:病側の皮膚は毛細管の微小循環が悪いため、色は蒼黒となり、皮膚は慢性湿疹様となり、局所は冷たい。
血圧:高血圧患者で15年以上のものの10%に異常がみられるため、持続性高血圧である。なお婦人にみられる血管運動神経の異常による「レイノー現象」では正常である。
呼吸:正常
尿量:頻尿、多尿となることが多い。
呼吸器疾患
•普通感昌common cold
患者の外観:一般に正常、幼児では不機嫌である。
意識の状態:正常。
脈拍:一般に正常。ときに軽度の頻脈である。
体温:多くは微熱である。幼児では38℃以上のこともある。
皮膚と四肢:やや暖かく、解熱剤で発汗を伴うことが多い。
血圧:多くは正常。
呼吸:一般に正常。やや頻呼吸と咳こみがある。
尿量、排便:
•インフルエンザinfluenza
患者の外観:棒でうちのめされたように突然の重病感。
意識の状態:多くは正常。
脈拍:初期には比較的徐脈(発熱に比較して)その後頻脈。
体温:突然の高熱(悪寒、戦りつを伴い39-40℃に及ぶ)。多くは数日で階段的に解熱。
皮膚と四肢:暖かく悪寒の後には強い発汗を伴うことが多い。筋痛、関節痛がある。
血圧:多くは正常か、やや上昇。重症では急に下降(ショック症状)。
呼吸:一般に頻呼吸、ときに多呼吸や過呼吸。重症では浅促呼吸(ショック状)。
尿量、排便:
•大葉性肺炎lobar pneumonia
患者の外観:突然の重症感を伴うことが多い。
意識の状態:多くは正常。ただし重症時は老人などで混濁することもある。
脈拍:頻脈。時に不整脈。
体温:突然の高熱(悪寒戦りつを伴う)1週貯留し分利。
皮膚と四肢:発病時にはふるえを伴う。皮膚は温かく強い発汗を伴う。脱水傾向がくるとかえって乾燥。
血圧:多くは正常か、やや上昇。重症では下降することもある。
呼吸:一般に頻呼吸。ときに浅促呼吸で努力性呼吸。
尿量、排便:
•気管支肺炎bronchopneumonia
患者の外観:余りおかされないことが多い。
意識の状態:正常。重症ではときに混濁。
脈拍:頻脈
体温:不定の発熱。弛張熱が多い。
皮膚と四肢:温かく発汗を伴う。経過が長いと乾燥。
血圧:多くは正常。
呼吸:一般に正常ないし頻呼吸。
尿量、排便:
•肺結核症pulmonary tuberculosis
患者の外観:一般に正常。重症ではやせて倦怠状。
意識の状態:正常。ただし重症では混濁することがある。
脈拍:軽度頻脈。
体温:正常ないし微熱。ときに中度等以上の熱。
皮膚と四肢:正常あるいはやや温かい。盗汗(ねあせ)がある。
血圧:一般に正常。あるいは低下傾向。
呼吸:一般に正常。重症では頻呼吸や浅促呼吸。
尿量、排便:
•気管支喘息(発作)bronchial asthma
患者の外観:やや苦悶状。ときにチアノーゼを伴う。
意識の状態:多くは正常。発作蓄積状態ではときに混濁。
脈拍:頻脈傾向(発作の程度と持続によって異なる)
体温:一般に平熱、ときに軽度上昇。
皮膚と四肢:当初軽度の発汗mその後乾燥傾向。
血圧:多くは正常かやや上昇。発作蓄積状態では下降あるいは上昇(CO2蓄積による)
呼吸:喘鳴を伴う多呼吸で呼気延長著明。努力性呼吸。軽症ではむしろ過剰換気、発作蓄積状態では低換気となる。
尿量、排便:
•肺気腫pulmonary emphysema
患者の外観:洋樽胸がある。歩行時に息切れがある。
意識の状態:正常。急性増悪時は傾眠ないし混濁。
脈拍:正常ないし頻脈。
体温:一般に正常。
皮膚と四肢:一般に正常。ときに乾燥傾向。チアノーゼ、バチ状指をみることがある。
血圧:一般に正常。急性増悪では上昇(CO2蓄積)。
呼吸:呼気延長、ときに喘鳴を伴う。一般に呼吸数は増加。急性増悪では低換気となる。
尿量、排便:
•肺線維症pulmonary fibrosis
患者の外観:一般に正常。歩行時の息切れ。
意識の状態:正常
脈拍:正常ないし頻脈。
体温:一般に正常。
皮膚と四肢:一般に正常。チアノーゼ、バチ状指をみることがある。
血圧:一般に正常。
呼吸:頻呼吸ないし多呼吸。一般には低酸素血で過剰換気
尿量、排便:
•胸膜炎pleurisy
患者の外観:一般に正常。ときに胸痛を伴い軽い苦悶状を示す(患側胸郭膨郭運動減弱)。
意識の状態:正常。
脈拍:頻脈。重症では小脈や不整脈。
体温:微熱ないし中等度の熱。
皮膚と四肢:温かく発汗を伴う。
血圧:一般に正常。
呼吸:一般に頻呼吸。ときに浅促呼吸。胸痛で不整脈ともなる。
尿量、排便:
•自然気胸spontaneous pneumothorax
患者の外観:ときに突然の胸痛あるいは呼吸困難のための苦悶。患側の胸郭膨大、呼吸運動減弱。
意識の状態:正常。
脈拍:頻脈。ときに頻少となる。
体温:一般に正常。
皮膚と四肢:一般に正常。
血圧:一般に正常。ときに低下(ショック状)
呼吸:一般に頻呼吸、ときに過呼吸。緊張性気胸や両側気胸では浅促呼吸となる。
尿量、排便:
神経疾患
•脳血栓cerebral thrombosis
患者の外観:
意識の状態:徐々に傾眠または反昏睡。
脳病巣症状:片麻痺、言語障害が主体。
頭蓋内圧亢進症状:特にない
髄膜刺激症状:特にない
脈拍:一般に正常、ときに頻脈。
体温:正常
皮膚と四肢:
血圧:上昇または正常。
呼吸:正常
尿量、排便:
•脳塞栓cerebral embolism
患者の外観:
意識の状態:突然反昏睡または昏睡。
病巣症状:片麻痺またはけいれん。
頭蓋内圧亢進症状:特にない
髄膜刺激症状:特にない。
脈拍:不整脈のことが多い。
体温:正常
皮膚と四肢:
血圧:正常または上昇
呼吸:正常
尿量、排便:
•脳出血cerebral hemorrhage
患者の外観:
意識の状態:突然反昏睡または昏睡
脳病巣症状
①内包:片麻痺
②橋:四肢麻痺
頭蓋内圧亢進症状:項部硬直、眼底出血の起こることがある。
髄膜刺激症状:項部硬直、眼底出血の起こることがある。
その他:項部硬直、眼底出血の起こることがある。
脈拍:緊張、充実。緩徐のことが多く、発熱に従って頻脈
体温:発作後暫くしてから上昇する。橋出血では特に高い(39℃以上)
皮膚と四肢:
血圧:上昇、特に橋出血では極端な高血圧。
呼吸:病巣部位により各種の異常呼吸がみられる。
①中脳以上ではチェーン•ストークスス呼吸。
②橋(上部)では過換気。
③延髄では失調性呼吸。
尿量、排便:
•くも膜下出血subarachnoid hemorrhage
患者の外観:
意識の状態:昏睡、譫妄(せんもう)または半昏睡
脳病巣症状:一般にない。
頭蓋内圧亢進症状:頭痛で発病、項部硬直(++)眼底に硝子体下出血がみられる。
髄膜刺激症状:頭痛で発病、項部硬直(++)眼底に硝子体下出血がみられる。
その他:頭痛で発病、項部硬直(++)眼底に硝子体下出血がみられる。
脈拍:一定した変化はない
体温:暫くしてから上昇。
皮膚と四肢:
血圧:正常または上昇。
呼吸:多くは正常。
尿量、排便:
•髄膜炎meningitis
患者の外観:
意識の状態:傾眠、昏迷、譫妄、半昏睡。
脳病巣症状:一般にない。ときに脳神経症状、片麻痺がある。
頭蓋内圧亢進症状:項部硬直
髄膜刺激症状:項部硬直
脈拍:熱に応じた頻脈
体温:急性では高熱、亜急性では微熱か中等度の発熱。
皮膚と四肢:
血圧:多くは正常
呼吸:多くは正常、熱に応じてはやい
尿量、排便:
•日本脳炎Japanese encephalitis
患者の外観:
意識の状態:昏迷、譫妄または昏睡。
脳病巣症状:片麻痺、不随運動。
頭蓋内圧亢進症状:精神症状、項部硬着
髄膜刺激症状:精神症状、項部硬着
その他:精神症状、項部硬着
脈拍:頻脈
体温:初期高熱(39-40℃)
皮膚と四肢:
血圧:多くは正常。
呼吸:熱に応じて速い。
尿量、排便:
その他:蚊のいる夏期に限られる。
•脳膿瘍brain abscess
患者の外観:
意識の状態:傾眠または半昏睡
脳病巣症状:ときに片麻痺、けいれんがある。
頭蓋内圧亢進症状:頭痛、うっ血乳頭
髄膜刺激症状:頭痛、うっ血乳頭
脈拍:徐脈または頻脈
体温:多くは高熱を示す。
皮膚と四肢:
血圧:多くは正常。
呼吸:多くは正常。
その他:耳、鼻あるいは肺の化膿性感染症より続発。
尿量、排便:
•脳腫瘍brain tumor
患者の外観:
意識の状態:傾眠または半昏睡
脳病巣症状:片麻痺、言語障害
頭蓋内圧亢進症状:頭痛、うっ血乳頭
髄膜刺激症状:頭痛、うっ血乳頭
脈拍:徐脈または正常。
体温:正常。
皮膚と四肢:
血圧:正常。
呼吸:正常。
尿量、排便:
その他:肺その他の癌に注意。
•慢性硬膜下腫瘍chronic subdural hematoma
患者の外観:
意識の状態:傾眠、昏迷、半昏眠
脳病巣症状:ときに片麻痺
頭蓋内圧亢進症状:精神症状、頭痛、うっ血乳頭
髄膜刺激症状:精神症状、頭痛、うっ血乳頭
脈拍:正常
体温:正常
皮膚と四肢:
血圧:正常
呼吸:正常
尿量、排便:
その他:頭部外傷の既往。
•てんかん大発作grand mal seizures
患者の外観:
意識の状態:発作中の意識障害
脳病巣症状:①強直性けいれん ②間代性けいれん
頭蓋内圧亢進症状:①強直性けいれん ②間代性けいれん
髄膜刺激症状:①強直性けいれん ②間代性けいれん
脈拍:正常または頻脈
体温:正常
皮膚と四肢:
血圧:発作中は上昇。
呼吸:
①無呼吸=顔面チアノーゼ
②やや過換気
尿量、排便:
消化器疾患
•急性胃炎acute gastritis
患者の外観:胃痛•嘔気•胃部膨満感のために苦悶状、または無欲状。
意識の状態:多くは正常、ときには譫語を伴い混濁
脈拍:正常または頻脈
体温:正常か軽度に上昇
皮膚と四肢:正常かやや温かい。しかし下痢をして冷たく、乾燥していることもある。
血圧:多くは正常、ときに軽く低下。
呼吸:正常または軽い頻呼吸。
尿量、排便:
•胃潰瘍(大量出血•穿孔を含む)gastric ulcer
患者の外観:一般に正常、疼痛が激しい場合に苦悶状、穿孔あるいは出血後はショック状となり、顔面蒼白。
意識の状態:一般に正常、大量出血では軽度混濁することがある。
脈拍:一般に正常、とくに大量出血では頻脈で触れにくくなる。
体温:正常、しかし穿孔あるいは出血直後は下降する。
皮膚と四肢:一般に正常、疼痛、嘔吐が長引けば皮膚の乾燥がある。大量出血では四肢は冷却、蒼白となる。
血圧:一般に正常かやや低下。大量出血あるいは穿孔では急激に下降する(ショック状態)。
呼吸:一般に正常。疼痛が強いと頻呼吸となる。または大量出血後では浅促呼吸
尿量、排便:
•急性腸炎acute enteritis
患者の外観:多くは脱力感であり、やや無欲状、嘔吐、腹痛が激しければ苦悶状
意識の状態:一般に正常、しかし高熱を伴い軽度の混濁をすることもある。
脈拍:正常または頻脈、血便が続くとともに頻小となる。
体温:軽度の発熱から高熱(39℃以上)をきたすなど病原菌の種類と患者の抵抗力また病期によって異なる
皮膚と四肢:発熱があれば温かいが、大量下血では冷却することがある。また下痢が続くと乾燥
血圧:正常または下降、とくに血便が続くとショック状で急に下降することがある。
呼吸:一般に正常、または頻呼吸、とくに高熱時には頻呼吸となる。
尿量、排便:
•腸チフスtyphoid fever
患者の外観:初期は軽度無欲状、頭痛や四肢痛のために軽度苦悶状のこともある。極期には高度の無欲状から嗜眠となる。
意識の状態:初期には正常。極期には嗜眠状から昏睡状となる。また回復期にはコルサコフ症候群や仰うつ状となることもある。
脈拍:初期に発熱にかかわらず緩徐(比較的徐脈)。極期ではやや頻脈となり、とくに120以上の時は腸出血、穿孔性腹膜炎の合併を疑う。不整脈となることもある。
体温:初期は階段状に上昇、極期では高熱(39-40℃)が稽留(けいりゅう)。その後不定な弛張熱となり、漸次解熱におもむく。典型例では、前経過約4週間である。
皮膚と四肢:初期は発熱のため温かいが、乾燥し発汗がない。特有のバラ疹は、第9日目に現れる。腸出血が続けば四肢は冷却する。また極期で舌の汚い苔を伴い皮膚は乾燥しているが、舌が湿潤になると良い徴候で、皮膚も湿潤をとりもどしはじめる。
血圧:一般に低下傾向であるが、とくに腸出血あるいは穿孔性腹膜炎を併発すると急激に下降する。
呼吸:頻呼吸が多い。とくに気管支炎や肺炎を合併すると呼吸困難を伴い著しい頻呼吸となる。
尿量、排便:
•急性食中毒(サルモネラ食中毒)acute food poisoning
患者の外観:嘔気•腹痛•下痢のため苦悶状
意識の状態:多くは正常、しかし重症では混濁し譫語
脈拍:頻脈、重症では頻少となる
体温:軽度の上昇、重症では高熱
皮膚と四肢:下痢が続くと乾燥する。重症ではショック状となり四肢冷却する。全身のけいれんを伴うこともある。
血圧:下降するが、とくに重症では著しい。
呼吸:頻呼吸となることが多い。
尿量、排便:
•コレラcholera
患者の外観:重症では無欲状、頻回の下痢が続くとコレラ顔貌
意識の状態:正常、時には興奮状
脈拍:頻脈、重症ではほとんど発症後数時間で脈を触れなくなることがある。
体温:腋窩体温は下降(32℃にもなる)、直腸内では高温(39℃にも達していることあり)
皮膚と四肢:皮膚は急速に乾燥し、しわがより萎縮する。四肢の冷却も強い。”洗濯婦の手”
血圧:下降する
呼吸:頻呼吸
尿量、排便:
•急性虫垂炎acute appendicitis
患者の外観:しばしば腹痛のため苦悶状
意識の状態:一般に正常
脈拍:正常または軽度の頻脈、腹膜炎を併発すればとくに頻小脈となる
体温:不定であり、平熱、微熱、中等度熱、高熱などである。一般には高熱のものは重症である
皮膚と四肢:発熱があれば温かい
血圧:一般には正常
呼吸:正常かやや頻呼吸
尿量、排便:
•急性腹膜炎acute peritonitis
患者の外観:苦悶状または無欲状、重症ではヒポクラテス顔貌
意識の状態:正常、重症では混濁
脈拍:頻少、軟弱となり、不整脈となることあり、とくにショック状態では著しい
体温:多少の発熱があるが、重症でも平熱または下降するものもある
皮膚と四肢:乾燥し、冷却する。冷汗を伴っていることが多い
血圧:下降する。とくにショックでは著しい
呼吸:頻呼吸となる。ショック状態では頻浅となる
尿量、排便:
•急性肝炎acute hepatitis
患者の外観:ときに無欲状あるいは苦悶状。激症肝炎ではとくに数日のうちに急激に変化する。
意識の状態:軽症では正常。重症あるいは激症肝炎では混濁、昏睡などを伴う。
脈拍:一般に発熱があれば頻脈となるが、黄疸が出現してくれると比較的徐脈となることもある。
体温:中等殿発熱が多い。黄疸が出現してしまうと解熱傾向となる
皮膚と四肢:発症後3-10後に黄疸。また激症肝炎では2-3日で黄疸が現れ、皮下出血をみとめる。重篤となると手指の振戦を伴う
血圧:重症では下降する
呼吸:頻呼吸となることが多い
尿量、排便:
•急性膵炎•急性膵臓壊死acute pancreatitis, acute necrotizing pancreatitis
患者の外観:疼痛が激しければ苦悶状
意識の状態:重症では時に混濁する
脈拍:頻脈となることが多い
体温:正常あるいは時に下降するが、その後上昇する
皮膚と四肢:とくに変化はないが、重症では冷却、冷汗を発する。
血圧:重症あるいは膵臓壊死では急激に下降することが多い
呼吸:頻呼吸となる。重症では浅促呼吸
尿量、排便:
腎臓疾患
•急性腎不全acute renal failure
患者の外観:
経過により①乏尿期(平均10日)では尿毒症の症状が発現する。悪心、嘔吐、食欲不振、無力状態となる。
意識の状態:頭痛、けいれん、精神症状が現れ、乏尿が続くと意識が混濁する。
脈拍:頻脈となり、脈拍は弱いが、時には不整脈となる。心膜炎を起こすことがある。
体温:原因によって変わるが多くの場合は正常。
皮膚と四肢:急速な乏尿の出現のため浮腫状となり、皮膚の色は蒼白となる。
血圧:血圧は上昇するが、時に下降することもある(心不全は浮腫の症状から呼吸困難へと移行する)拡張期圧がとくに高くなる
呼吸:肺うっ血による呼吸困難と、アシドーシスによるKussmaul呼吸がある
尿量、排便:
①乏尿期では1日400ml以下であるが、
②利尿期では1日1l-数lになり、症状は改善される。
•慢性腎不全chronic renal failure
患者の外観:一見して顔面が浮腫状であり、眼瞼が腫れている。
意識の状態:尿毒症性膿症による意識障害や精神症状、けいれん、四肢振戦、はばたき様振戦、末梢神経炎などがみられ、患者は対話中にも集中力を欠き、知的反応も低下する。
脈拍:慢性うっ血性心不全を併発していることが多く、脈拍は弱く速い。しばしば不整脈がみられる(心タンポナーデとなることがある)
体温:正常よりやや低い
皮膚と四肢:urochromogenの沈着により茶褐色化、皮膚出血、紫斑、または歯肉出血などがあり、四肢に瘙痒感(そうようかん)
血圧:一般に非常に高く持続性である(悪性高血圧)
呼吸:呼吸困難やKussmaul呼吸、しばしば肺炎を併発する。
尿量、排便:夜間多尿となり増量するが、腎不全の進行に従って末期には減少する。
•ネフローゼ症候群nephrotic syndrome
患者の外観:顔面が浮腫状であり、無気力である。浮腫は眼瞼、下肢(頸骨部)、時に陰嚢までみられ、重症になると腹水がたまる(anasarca)、これは①低蛋白血症②高蛋白尿症③高コレステロール血症による。
意識の状態:意識障害はないが、表情が暗い。基礎疾患により意識障害をきたすことがある。
脈拍:正常の場合が多い。
体温:正常
皮膚と四肢:蒼白となり、爪の内側2/3の一に白い帯が生じる。皮膚の表面は乾燥している。四肢の浮腫著明
血圧:一般に正常である。腎炎と合併した場合は高くなる。
呼吸:正常の場合が多い
尿量:減少する
内分泌疾患
•糖尿病性アシドーシスdiabetic acidosis
患者の外観:顔面は紅潮しているが、これは脱水や発熱によって起こるため
意識の状態:正常から、徐々に混濁し、嗜眠状態、昏迷、そして昏睡状態となるが、これらは代謝性アシドーシスの程度によって変わる(血糖値によるものではない)
脈拍:頻脈である
体温:一般に高い
皮膚と四肢:皮膚、口唇粘膜ともに乾燥し、眼球は極端な脱水により柔らかくなる。四肢の皮膚にも同様の変化がみられる。
血圧:正常よりやや低目である
呼吸:Kussmaul呼吸で速く深い(これは呼気中にCO2がスを多量に排出するための生体反応である)呼気中に独特の、甘い、アセトンの果物のような臭がする
尿量:多尿、頻尿となる
•甲状腺機能亢進(中毒症)hyperthyroidism(thyroid toxicosis)バセドー病
患者の外観:若い成人で女性に多いが、不安気な表情で、神経質、絶えず焦燥感あり、眼球突出、甲状腺の肥大、手指の振戦がみられ、散瞳でやせ型
意識の状態:正常であるが興奮気味
脈拍:動悸と共に頻脈であり、脈の立ち上がりは速い、脈圧大、不整脈である。
体温:その患者の正常時よりも高い
皮膚と四肢:皮膚は柔軟で、温かく、きみは細かい。全体に紅潮し、手掌は汗ばみ、毛髪は細い
血圧:脈圧は大きく、収縮期圧は高く、拡張期圧は正常または低目である。
呼吸:脈拍数と比べて呼吸数は少なく、無呼吸時期があり、患者は溜息をつく
尿量:全身の発汗が著明のため、尿量は少ない。
•副腎皮質機能不全(ADDISON病)adreno-cortical insufficiency(ADDISON’s disease)
患者の外観:著明な体重減少と、筋肉の脆弱(ぜいじゃく)、易疲感(いひろうかん)があり、眼がおちくぼみ、胸骨が出ている。全体に色が黒い。
意識の状態:正常であるが、時に眩暈を起こしたり失神することがあるが、低出血のためと考えられる。頭痛(+)
脈拍:弱く速い。橈骨動脈では触れにくい。
体温:正常よりも高目か低目である
皮膚と四肢:皮膚の色素沈着が異常に多く、全身の色が黒いが、頭髪は薄くなり、体表面に黒い雀斑(じゃくはん)が増える
血圧:低血圧である
呼吸:浅く速い。肺循環も悪いために呼吸困難になり心不全に陥りやすい
尿量:急性期には乏尿となるが、慢性期には正常。
胃腸症状:悪心、嘔吐、下痢、腹痛を訴える
その他:重症の感染症の有無、慢性肺結核、過度の精神的ストレスや、脳下垂体の障害の有無により種々のサインが現れる
その他
•ショック状態shock condition
患者の外観:表所は焦燥感にかられ、不安げである。患者の返答は短絡的である。
意識の状態:初期は正常であるが、やがて意識の低下が始まり、昏迷、昏睡に陥る。顔面は蒼白
脈拍:頻脈で弱い。触知しがたい。表在性静脈も虚脱している(上肢、下肢とも静脈の怒張がみられない)
体温:正常よりも低い
皮膚と四肢:四肢の表面を指で圧迫した後、皮膚の赤味がなかなか元に戻らないし(毛細血管充満が遅れるため)赤味と蒼白の部分が、まだらに見える。皮膚には盗汗があり冷たい。
血圧:収縮期圧が80mmHg以下となる
呼吸:浅く、速い
尿量:乏尿となり、無尿となることがある。
その他:出血などによる場合は、外傷の有無、術語の患者の場合はその原因を探す場合がある。
•日射病(熱射病)sun-stroke(heat stroke)
患者の外観:真夏の炎天下や高温度の作業下で起こることが多く、全身に熱感があり紅潮している。全身の脱力感、または無力感が著明。
意識の状態:意識の低下または消失がある。全身のけいれんを伴うことが多い(下顎のけいれんをみることが多い)
脈拍:頻脈の場合が多いが、不整脈もしばしばみられる脈拍は弱く小脈である。
体温:39.0-41.0℃(肛門内で調べること)となる。
皮膚と四肢:身体全体に「うつ熱」現象があるため、血液の粘性は高く、皮膚は熱く、紅潮している。また脱水による脳循環障害と四肢のけいれんがみられる。
血圧:正常よりも高くなり、拡張期圧が100mmHgを越えることがある
呼吸:チェーン•ストークス呼吸やKussmaul呼吸がみられる
尿量、排便:失禁することが多い
その他:(一刻を争うもので全身に濡れたタオルをかけ扇風機の風を向けて身体を冷やす)
•睡眠剤の過剰服用excessive administration of sleeping drug
患者の外観:自殺を計るためや、誤って服用したためなどの理由によるが、患者は緊急処置を必要する。
意識の状態:泥酔状態、意識混濁、昏睡状態、昏睡状態が数時間続くと致死的となる。縮瞳(+)
脈拍:徐脈で弱く、触知しないことがある(ショック状態)
体温:正常または低い
皮膚と四肢:バルビタール系睡眠剤によることが多く、大脳皮質から下位の中枢神経へと影響が出てくるため四肢に完全な腱反射の消失がみられるときは後期症状である。チアノーゼがある
血圧:低い。ショック状態になることがある(vascular collapse血管虚脱)
呼吸:呼吸数も少なくなり、浅い呼吸である
尿量、排便:多くの場合、失禁している
その他:眼球は絶えずグルグルと動いている段階から固定し、縮瞳している場合は致死的である。
•薬物過敏症drug hypersensitivity
患者の外観:静脈注射や輸血を行った直後に起こることが多く、全身の知覚異常、搔痒感、胸部絞扼感、顔面が急に腫れてくる。5-10分で死亡する。
意識の状態:急に不安状態、焦操状態となり、次第に混濁し昏睡状態となる。散瞳(+)
脈拍:頻脈となり、弱く、ときに不整脈となる。
体温:正常からだんだんと上昇する。
皮膚と四肢:血液内液が急激に血管外へと漏出するため、循環出液量は低下し、皮膚は蒼白となり、全身に発汗がみられる。全身性じんましんや浮腫が現れ、とくに眼瞼に著明
血圧:低血圧からショック状態となる
呼吸:急速なair-hunger、喘鳴が現れ、呼吸困難となり、最後に無呼吸となる。
尿量、排便:失禁
その他:上記のサインは5-10分間で進行するため、刻々変わるバイタルサインを把握する必要がある。
•敗血症septicemia
患者の外観:一見して重篤な外観を呈している。悪寒戦慄のため全身を小刻みに慄わせ、顔面は、紅潮したり、黄疸を呈していたり、蒼白な場合もある(細菌の種類や原発巣、転移によるためである。)
意識の状態:焦燥状態から、意識混濁を起こし、昏迷状態となる。
脈拍:頻脈で、大脈後に小脈となる(心不全を併発するため)
体温:発熱は著明で40-41℃の弛張高熱を示す
皮膚と四肢:小児では、紅斑、出血斑、ヘルペス、膿痂疹(のうかしん)などを呈する。発汗著明、四肢の関節痛も著明である。肝、脾腫を起こすことや、四肢の塞栓症状をみることもある。爪下出血や太鼓バチ状指がある。
血圧:初期には正常、後にショック状態となる。
呼吸:浅く速い。
尿量、その他:乏尿、血尿を示すことがあるが、無尿となり急性腎不全を起こすこともある
•鉄欠乏性貧血iron deficiency anemia
患者の外観:顔面貧血状で、重症では無欲状
意識の状態:多くは正常、重症では混濁
脈拍:正常または頻脈、とくに労作時には動悸があり頻脈が著明
体温:正常または微熱
皮膚と四肢:一般には貧血で黄色傾向。重症では冷却、爪はスプーン状
血圧:正常または低下
呼吸:安静時には正常であっても労作時には頻呼吸で呼吸困難を伴う。重症では安静時にも頻呼吸で呼吸困難である。低蛋白血症が高度となればさらに高度となる。
尿量、排便:
突発性発疹(Exanthem subitum)
体温:
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_28.html
http://josei-bigaku.jp/lifestyle/akatyankounetu4083/
斑丘疹
合併症
•熱性痙攣Febrile seizure
高緻機能障害
http://www3.ocn.ne.jp/~fujisima/keiketu/t205.htm
眼瞼痙攣
ベーカー嚢腫
天気痛
http://touch.allabout.co.jp/gm/gc/391830/
臼蓋形成不全
顎関節症
突発性大腿骨頭無腐せい壊死症
http://koshiitai.com/kokan/byouki_mufuseieshi.html