神経学検査

嗅神経:一側性の嗅覚の消失は前頭葉下部髄膜の腫瘍が疑われる

視神経:外方=100° 内方=60° 上方=60° 下方=75°
左全盲=左の視神経の障害(左目が見えない)
両耳性半盲=視神経交叉の障害(両目の中央が見えて外側が見えない)
左鼻側半盲=視交叉が左側から障害(左目の中央が見えない)
左同名半盲=左の視索が障害(左目の中央、右目の外側が見えない)

動眼神経 滑車神経 外転神経
直接瞳孔反射:光を入れた瞳孔が収縮する
関節瞳孔反射:体側の瞳孔が収縮する
瞳孔反射の求心路:視神経
瞳孔反射の遠心路:動眼神経


三叉神経
三叉神経の角膜を刺激する検査:角膜反射
角膜反射の求心路:三叉神経
角膜反射の遠心路:顔面神経

顔面神経
左の上位運動ニューロン障害:顔の右下(1/4)に顔面神経の随意運動麻痺。下位運動ニューロン障害はない
右の下位運動ニューロン障害:顔の右半分(1/2)に顔面神経の随意運動麻痺。上位運動ニューロン障害はない。

内耳神経
偏倚:Weber Testで片側の耳だけ音が大きく聞こえること
・伝音性難聴:偏倚側
外耳菅の閉塞、中耳の障害。内耳より末梢側の障害

・感音性難聴:非偏倚側
内耳より中枢(神経系)の障害

温度試験(Caloric Test)
30°の冷水を耳に注入。同側に眼振
44°の温水を耳に注入。反対側に眼振

舌咽神経 迷走神経
・軟口蓋、口蓋垂が右に偏倚している原因は?左の迷走神経が障害されている
・催吐反射 求心路:舌咽神経 遠心路:迷走神経
・舌咽神経:舌後1/3の味覚・知覚を支配している神経
・三叉神経(下顎神経):舌前2/3の知覚を支配している神経
・顔面の味:舌前2/3の味覚を支配している神経


副神経

舌下神経
舌下神経:舌の動きを司る神経
オトガイ舌筋:舌を動かす筋肉

右の上位運動ニューロンが障害:左に舌が偏倚
右の下位運動ニューロンが障害:右に舌が偏倚

マイオトーム(筋節)
上肢
C1,C2:頭部屈曲
C3:頭部側屈
C4:肩を挙上
C5:肩関節外転
C6:肘関節屈曲、手関節背屈
C7:肘関節伸展、手関節掌屈
C8:中手指節関節
Th1:手内在筋

下肢
L2:股関節屈曲
L3:膝関節伸展
L4:足関節背屈
L5:母趾伸展
S1:足関節底屈
S2:膝関節屈曲

感覚検査のポイント
①Ptの知能、意識、精神状態に注意
②Ptの協力を得るためには、検査内容と答え方をしっかり説明
③Ptに暗示をかけたり、誘導しちゃいけない
④刺激を感じたらすぐに答えてもらう

表在感覚
前脊髄視床路:触覚
外側脊髄視床路:温痛覚

深部感覚CTLS
脊髄後索を通る3つ上行
①位置覚
②振動覚
③局在性の触覚

錐体路:運動系の下行路

脊髄視床路を通る感覚(上行)
①触覚
②温痛覚

関節位置覚のポイント:指を横からつまむ。

振動覚の注意点:50代の下肢は器質的疾患がなくても振動がわからなくなる。

上位運動ニューロンと下位運動ニューロン障害における特徴5つ
         上位運動ニューロン 下位運動ニューロン
筋緊張
亢進+痙攣
弛緩
筋伸張反射
亢進
減弱+消失
筋萎縮
なし
あり
病的反射    
出現
消失(正常)
クローヌス(間代)
あり
なし
ベースライン
上肢
C5:肘の外側
C6:母子球
C7:中指
C8:小指球
Th1:肘の内側

下肢
L4:親指側
L5:足の甲、裏
S1:小指側

筋伸張反射の評価
0:無反応
+1:反応弱化
+2:正常
+3:やや亢進
+4:亢進(一過性の間代)
+5:著名な亢進(連続した間代)

筋伸張反射の支配神経
C5:上腕二頭筋
C6:腕橈骨筋
C7:上腕三頭筋
L3,4膝蓋腱
S1:アキレス腱

・クローヌス(間代):筋が連続してガクガクすること。反射が著しく亢進している。
・イエンドラシック法:筋伸張反射のテクニック。評価は+2(正常)から一個下げて+1

筋伸張反射異常の意義。
①正常者でも腱反射が亢進、欠如することがる→左右を比較
②著名な亢進があっても病的反射とは限らない→ノイローゼ、精神緊張など。左右対称である事確認。
③両側に病的反射あり
経路:錐体路、両側性の障害
原因部位:脳幹、脊髄

錐体路障害:皮膚表在反射が消失する(亢進しない)

腹壁反射+挙睾筋反射
T5,6
T6-9
T9-11
T11-L1
L1,2
おへそはT10
腹壁反射の減弱、消失は錐体路障害

病的反射:正常では認められない反射のこと
バビンスキー兆候:バビンスキー反射で陽性(エラー)がでること。具体的には母趾が背屈する(エラー)それか母趾、その他の指が屈曲。通常は1-2歳の間に消失(小児は母趾背屈もOk)
錐体路障害

バビンスキー、オッペンハイム、ゴードン、シェファー、ゴンダ、チャドック

手指屈曲反射2つ
①ホフマン反射②トレムナー反射

吸引反射:口を軽く開けて上唇→口角へハンマーの柄で刺激→口を尖らせる
口尖らせ反射:上唇の中央をトントン
把握反射:あっちむいてほい、ハンマーで手の平を指二本でこすると握りたくなる
手掌頤反射:手掌の母子球をハンマーの柄でこすると、同側の下顎の筋が収縮

ワルテンベルグ徴候:指相撲+引っ張る→母指が著しく内転+屈曲
原因:上位運動ニューロン障害

クヴォスティック兆候:顔面神経管(顎関節の下、眼瞼裂から下りて頰骨の飛び出ているとこの下)を外耳孔の前方で軽く叩く検査

テタニー:クヴォスティック徴候の検査で顔面の筋が収縮すること(低カルシウム血症)

小脳検査
協調運動:小脳の機能
運動失調:小脳の機能(協調運動)が障害された時の呼び方

小脳の運動失調の6つの要素。振戦な協運は時間的に反測だよ
①振戦:屈曲動作でふるえる
②協働収縮不能:屈曲動作で協働筋が働かない
③運動分解:1つの動作ですむのに2つ以上の運動になる
④時間測定障害:歩行中に止まりたいのに止まれない
⑤反復拮抗運動不能:一定のリズムで手拍子できない
⑥測定異常:物を取れない。空間認識ができない

①ロンバーグ検査
②③つぎ足歩行
⑤⑥指鼻指検査
踵膝検査
②③④⑤回内、回外検査
スチュワートホームズ反跳現象